「〈子ども学〉論集」が『日本教育新聞』の書評に掲載されました。 - 2024.04.16
現代社会学のすすめ
マルクス、ウェーバー、デュルケム、マンハイム、ブルデュー等の良質な社会学的知的遺産を抽出し、
その現代的意義を問う。
官僚制、教育、地域社会再生、外国人問題等の現代日本の諸問題と各思想家の理論考察とを切り結び、
『応用社会学のすすめ』(学文社,2000)での社会学実践の試みが探求を深める。
充実した内容と平易な語り口。社会学入門者、専門家を問わず一読されたい。
【執筆者】
*飯田哲也、*早川洋行、鈴木秀一、魁生由美子、澤井 敦、小谷 敏、近藤敏夫、
三上剛史、近藤理恵、浜岡政好(*編者)
1 はじめに
2 社会学の「拡散状況」と多様性
3 魅力ある社会学を考える
4 現代社会学への誘い
第1章 マルクスと人間疎外―生活分野への疎外の拡大
1 はじめに
2 マルクスの「社会科学」
3 疎外論と貧困論
4 人間疎外の現局面
5 おわりに―「こじ開ける」発想―
第2章 ジンメルと地域社会―地域集団の自己保存
1 ジンメル社会学のエッセンス
2 ジンメルの自己保存論
3 地域社会の自己保存
4 地域社会の再生のために
第3章 ウェーバーと経営組織―「神の死」と「官僚制の死」―
1 ウェーバーと現代
2 ウェーバーの視点―合理化論と方法論
3 ウェーバーにおける資本主義と官僚制組織
4 現代企業における2つの官僚制問題
5 「神の死」と「官僚制の死」:結びにかえて
第4章 デュルケムと犯罪―現代社会における欲望と道徳的連帯の失敗
1 デュルケムという社会学者
2 デュルケムの主著からみる足跡
3 デュルケム社会学における犯罪への視覚
4 社会現象としての犯罪―豊かな個人主義社会における生存の安逸と存在の不安
第5章 マンハイムとポストモダン―相関主義とデモクラシー
1 はじめに
2 知識社会学と時代診断論
3 相関主義とデモクラシー
4 ポストモダニティとしての日本社会
第6章 ヴェブレンと教育―ビジネス至上主義を超えて
1 ヴェブレン―その今日的意義
2 ヴェブレンの大学論―『アメリカの高等教育』を読む
3 詐術としての大学―経済のグローバル化の中で
4 ヴェブレンと日本の学校―初等中等教育が示唆するもの
第7章 ミードと外国人労働者―エスニシティの壁を超える条件
1 ミードから社会学へ
2 ミード理論の方向
3 ミードの理論構成とエスニック問題
4 日本の中のエスニック問題―日系外国人の就労と生活
第8章 ハーバーマスと公共性理論の現在―「公」と「私」の社会学
1 はじめに
2 ハーバーマスの公共性理論
3 新しい社会運動と非営利セクター
4 公共性と共同性
5 結びと展望―いくつかの公共性
第9章 ブルデューと社会的排除―社会的身体の視点
1 はじめに
2 ハビトゥスに拘束される行為者
3 ハビトゥスが産み出す世界
4 文化と排除
5 ハビトゥスの矛盾
6 おわりに
第10章 レギュラシオン理論と現代資本主義の危機―「福祉国家」の解体・再編と貧困の装置化
1 はじめに
2 レギュラシオン理論による戦後福祉国家の危機分析
3 新自由主義と戦後福祉国家の解体
4 「ネオ・フォーデイズム」への再編による戦後型労働・生活様式の解体
5 おわりに―セーフティネットの再構築にむけて
終 章 S教授と現代社会学―社会学をめぐるショートショート
1 S教授,1回生の女子学生と語る
2 S教授,中国からの留学生と語る
3 S教授,卒業生と語る
4 S教授,若手研究者と語る
5 S教授,旧知の助教授と語る
6 S教授,前学長と語る
7 S教授,酒屋の店主と語る
8 解題