増補版 現代経営用語の基礎知識
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■ヤードスティック方式(yardstick regulation)やとすていつ 
監督官庁が公益企業の経営効率の査定にあたって利用する料金水準の決定方式.ヤードスティック(yardstick)は「ものさし」の意味であり,物事を比較して評価判断を下す基準のことをさす.電気・ガス・水道のような地域独占性が強い業種において,同業他社との比較で経営効率を査定するときにヤードスティック方式が活用される.優良企業のコストを基準とした料金算定によって,経営効率が劣る企業に改善を促すために利用される傾向にある.また,大手私鉄やバス・タクシーでは,業界全体の経営業績の平均値をヤードスティックとして利用している.[井上照幸]




■有価証券報告書 (securities report) 
一般投資家保護を目的とする証券取引法に基づき,証券取引所上場会社および店頭売買有価証券の発行会社等は,毎事業年度,決算日から3ヵ月以内に有価証券報告書を内閣総理大臣(財務局)に提出しなければならない.
 有価証券報告書においては,法定開示事項として,@企業の概況,(2)事業の状況,(3)設備の状況,(4)提出会社の状況,(5)経理の状況,(6)提出会社の株式事務の概要,F提出会社の参考情報に係る詳細かつ正確な開示を行うことが強制されている.
 会計ビッグバンと称されるわが国の会計制度改革の一環として,企業集団の財政状態および経営成績を明らかにするために,連結財務諸表の作成・開示基準が大幅に見直されたことに関連して,有価証券報告書の記載順序は従来の個別情報→連結情報から,連結情報→個別情報に修正された.このことは“連単主従逆転”と称されている.→連結財務諸表[古庄 修]

■有機EL(organic electroluminescence) 
熱をほとんど出さずに電気を光に変える,エレクトロルミネッセンス(EL)現象を利用したディスプレイ.有機ELでは,2つの電極の間に有機分子(炭素を含む分子)からなる層を設けて発光させている.固体半導体である有機ELは,液体を使用している液晶ディスプレイ(LCD)や気体を使用しているプラズマディスプレイと違い,小型化や薄型化などが容易であり,消費電力も少なく,自発的に発光するため,液晶のように視野角によって見え方や明るさが変わるということもない.また薄くて柔軟性があり折りたたんで使える有機ELディスプレイを作ることも可能とされている.現在の有機ELでは寿命が短い等の課題は残っているものの,将来的には液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに取って代わるものと考えられている.[熊谷敦也]

■有期雇用契約ゆうきこよう 
企業と従業員が期間を定めて労働契約を結ぶこと.これによって従業員は有期契約労働者となるが,企業では「パート・アルバイト,臨時,非常勤,嘱託」などさまざまな呼び方がされる.労働基準法は,企業による労働者の不当な拘束を避けるため1年超の期間の有期雇用を原則禁止してきた.現今の就業形態の多様化に伴い,2003年に労働基準法が改正され,契約期間の上限が3年に延長された.また,弁護士・公認会計士など高度な専門的知識等を要する者,および60歳以上の高齢者に対しては上限が3年から5年に延長された.有期雇用契約の度重なる自動的更新によって,正社員と同様の長期雇用状態にある有期契約労働者は少なくない.こうした状態での期間満了だけを理由とする更新拒否(雇い止め)は,判例において認められない傾向にある.[井上照幸]

■有限会社(limited company)ゆうけんかい 
株式会社が大規模企業に適した企業形態であるのに対し,有限会社は中小規模の企業にその設立手続きや組織などに関して株式会社のもつ利便性を与える目的で作られた企業形態である.したがって中世イタリアの商業都市にその起原をもつ合名会社,合資会社,株式会社といった企業形態の歴史的展開過程とは無関係に,比較的近代において作り出された企業形態である.
 日本の有限会社法は,有限会社の出資者は50人以下,資本金は300万円以上であることを定めている.また株式会社の役員が,取締役3人以上,監査役1人以上,代表取締役1人以上必要であるのに対し,有限会社では取締役1人以上,監査役と代表取締役は置かなくともよいとされている.また創立総会や取締役会は開催しなくてもよいことになっており,株式会社の株主総会に相当する社員総会は書面でもよいことになっているなど,株式会社に比べて設立手続き,会社機関とその運営などは非常に簡素化されている.
 2006年度に施行が予定されている新「会社法」では有限会社が廃止され,株式会社に一本化されることになっている.その場合,従来300万円だった最低資本金も廃止され,株式会社は資本金1円でも設立が可能となる.既存の有限会社はこれまで通り有限会社の称号を使用することができる.
 有限会社形態は日本とドイツにおいてとくに広範に利用されており,これまで日本の法人企業の半数以上が有限会社であった.ドイツでは有限会社はGmbH (Gesellschaft mit beschrankter Haftung) とよばれ,もっとも多い企業形態であり,1990年には合名会社約17万社,合資会社8万5,000社,株式会社1,700社に対し有限会社は26万社余りであった.→株式会社,株主総会,企業形態[佐久間信夫]

■U字型ライン 
円高以降,自動車産業をはじめとする加工組立型の産業で導入が加速した生産ラインのあたらしいスタイル.そこでは直線型のラインに作業員が並ぶフォード的な流れ作業組織を変えて,作業員が向きを変えれば手が届くようにラインそのものをUの字のかたちに組み(作業員はこのUの字の内側で立ち作業),複数の作業を1人で担当する.このスタイルが注目されるのは,生産量・生産品種の点で柔軟性が高いからである.すなわち,U字型生産ラインでは生産量の変動に応じて作業員の数を増減でき,多品種生産に適合的な一個流し生産が可能である.連続して加工される同一品種のまとまり(個数)をロットというが,一個流し生産とは生産ロットが1であるという意味である.U字型作業ラインを採用するためには,@工程の順序にしたがって機械設備をライン化(トランスファーマシンや大型機械はできる限りシンプルな単能機要素に分解し,これをライン化)する.(2)作業員は工程の順序にしたがって多工程持ちである(多能工である)必要がある.[加茂紀子子]

■優先株(preferred stock) 
優先株は,配当金の支払いや残余財産の分配などを,普通株よりも優先的に受け取る権利を有している.優先株は,議決権が付与されていない場合が一般的である.優先株は,予定されていた配当金を受け取った後でさらに利益がある場合,その分配に参加できる「参加的優先株」と,参加できない「非参加的優先株」に分類される.また優先株は,配当金が支払われなかったさいに,その不足金を次年度に受け取ることができる「累積的優先株」と,受け取ることができない「非累積的優先株」に分類される.会社は,これらの性質を組み合わせて優先株を発行することができる.1990年代後半に,銀行は経営権を安定させながら自己資本を強化するために,優先株を積極的に発行した.[森谷智子]

■ユニバーサル・サービス(universal service) 
国民が等しく公正に享受できる日常的で公益性の高いサービスを意味する.封書やハガキの全国均一の郵送料,NTTによる全国一律の市内電話料金などに代表されてきた.
 ユニバーサル・サービスの特徴として,一般に次の4つが指摘される.まず,全国どこに住んでいてもうけられ,地域格差がないサービス.第2に,日々の生活に支障がない程度の料金負担でよく,貧富の差が重大な影響を及ぼさないサービス.第3に,どこでも誰でも差別のない品質でうけられるサービス.第4に,居住する場所や職種・業種などによる差別的取り扱いをうけることのないサービス.現実のユニバーサル・サービスは,4つの特徴をすべて等しく追求しているわけではない.どの特徴を重視するかは,おのおのの事業の経営環境や公益性の程度などに応じて相違する.
 唯一の事業組織が市場を占有する場合,ユニバーサル・サービスの実行は比較的容易である.高コスト地域でのサービス提供による赤字を,低コスト地域での黒字で補うという内部相互補助の施策によって,全国規模での「同一サービス・同一料金」が達成される.ところが,規制緩和の過程で新たな事業者(=ライバル企業)が登場すると,ユニバーサル・サービスの維持が困難になる.ライバル企業の多くはもっぱら高利益が見込める領域に進出する.その結果,大都市圏で大企業を主要な顧客とした「高サービス,低料金」競争が展開される.その一方で,過疎的地域や採算ベースに乗りにくいサービスについては,既存の事業者がサービスの提供を維持せざるを得ず,「低サービス・高料金」になる可能性が高まる.こうした料金格差やサービス格差を不適当に拡大させることなくユニバーサル・サービスの維持を図ることが,公益性確保のための重要課題となっている.→規制緩和[井上照幸]

■ユニバーサル・サービス基金(universal service fund) 
ユニバーサル・サービスを確保するために拠出され利用される基金(ファンド)のこと.ユニバーサル・サービス基金が設けられる理由は,今までは一社独占的にユニバーサル・サービスを提供していた企業が,不採算領域でのユニバーサル・サービスを維持できなくなったためである.市場競争の導入によって,非採算領域での赤字を高収益領域の黒字で補うことが困難になったことに起因する.したがって市場競争を展開する各社が,不採算領域でのユニバーサル・サービス維持のため基金に拠出する.基金からの補助を受けるのは,不採算領域でのユニバーサル・サービスを担う企業である.不採算領域でユニバーサル・サービスを提供する企業が受け取り,そうでない企業はユニバーサル・サービス確保のための費用を拠出する.これを●play or pay"原則という.→ユニバーサル・サービス[井上照幸]

■ユニバーサル・バンキング(universal banking)ゆにはさるは 
銀行本体で長短銀行業務と証券業務を兼営することができる金融制度で,ドイツ,フランス,スイスなどで行われている.その典型は,ドイツの「信用制度法」に求められる.これによれば,預金業務,信用業務,割引業務,証券業務,証券寄託業務,投資業務,保証業務,振替業務などが銀行の営むことのできる銀行業務とされ,さらに,連邦大蔵大臣が正当であると認めた場合は,証券ディーリング業務,貴金属の売買,外国為替の売買,金融債の発行を銀行業務と定めることができるという.これらすべての業務を広範囲に営むのがユニバーサル・バンキングであり,これは,信用(商業)銀行,貯蓄銀行,信用協同組合に分類される.従来,信用(商業)銀行が大企業との企業金融,貯蓄銀行が貯蓄預金の収集と住宅・自治体貸付,信用協同組合が中小企業・農業貸付という特色をもっていたが,1967年の金利の自由化,1970年代以降の金融の国際化によって,垣根を越えた競争が激化し,表面的にはそれぞれのグループは同質化してきたとされる.この他に,ドイツでは抵当銀行,投資会社などの専門銀行が存在するものの,依然,ユニバーサル・バンキングの占める比率は高い.
 これに対して,イギリス,アメリカ,日本などでは,銀行の証券業務,とくに引受・募集販売を銀行本体では制限されており,いわゆる分業銀行制度がとられてきた.銀行内部での利益相反,証券業務のリスクなどが懸念され,これらの国々ではユニバーサル・バンキングは制限されてきた.近時,1980年代の世界的な銀行の金融仲介機能の低下現象,1990年代の金融の流動化・証券化の加速度的な進展によって,銀行経営の市場リスクの増大,それに伴うBIS規制のクリアなど国際的競争での均一化は,必然的にユニバーサル・バンキングへの移行を促す.→ホールセール・バンキング,リテール・バンキング[三浦后美]

■輸入代替工業化(import substitution industrialization)ゆにゆうたい 
開発途上国において,それまで先進国から輸入していた耐久消費財など工業製品に高関税を賦課したり,輸入数量を規制して輸入削減をはかり,これに代えてその製品を生産している国内産業を保護育成して工業化を進めようとする経済開発政策のことをいう.
 1950年代までの韓国や台湾などのNIES(新興工業経済群)や1960年代までのASEAN地域の多くの国で輸入代替工業化政策が導入されてきた.当初は衣類など軽工業から電子・電気製品の耐久消費財の分野,後には重化学分野への展開が期待されていたが,資本・技術に乏しく,国内市場の規模が小さい状況下で,この政策が多くのアジア諸国の努力にもかかわらず,非効率で,非生産的な比較優位のない産業の保護育成をめざす結果となり,思うような発展が実現できなかった.
 1960年代に入ると,韓国,台湾では,豊富な労働力を集約的に使う繊維・衣類産業などが目覚しい発展をみせ,比較優位のある財に特化して輸出を増やす輸出指向工業化政策への転換が図られ,外需主導型の高成長を遂げることに成功した.1970年代からASEANもこのNIESの成功から教訓を得て,輸入代替から輸出志向型へと経済発展戦略を改め,1990年代には,アジアのほとんどの国が輸出指向工業化政策をとることとなった.→比較生産費説[田中友義]

■ユビキタス・コンピューティング(ubiquitous computing) 
複数の人が1台のコンピュータを利用するメインフレームの世代,1人が1台のコンピュータを利用するパソコンの世代に続き,1人が複数のコンピュータを利用するといった次世代のコンピュータの利用形態として,米ゼロックスのパロアルト研究所のワイザー(M. Weiser)が,1988年に提唱した概念.「ユビキタス」とは,「遍在する」,すなわち,あらゆる所に存在するという意味であり,ユビキタス・コンピューティングとは,無線通信技術を利用して,どこからでもインターネット等のネットワークにアクセスしてサービスを利用できる形態を指す.現在,外出先でも無線でインターネットへアクセスできる機器として,携帯電話やPDA,ノートPCが普及している.とくに,無線LANサービスを提供する「ホットスポット」とよばれる空間が,駅や喫茶店などを中心に拡大しつつあり,ノートPCを接続して高速通信ができるようになっている.
 ユビキタス・コンピューティングとは,これらの情報機器のみならず,冷蔵庫・洗●機などの家電製品や自動車,衣服などさまざまなものがネットワークに接続されるということまでも意味する.ユビキタス・コンピューティングで実現されると考えられているサービスの例として,ユーザが外出先から操作することにより,ユーザの位置情報に応じて,空調,炊飯,風呂の給湯などが,帰宅時に最適な状況が整うように自動的に動作するシステムがある.このように,コンピュータを使っていることを人間に意識させないという点も,ユビキタス・コンピューティングの特徴のひとつである.ただし,さまざまな個人情報もネットワークを流れることになるため,プライバシー保護を目的とした暗号化や認証といったセキュリティ機能もユビキタス・コンピューティングにおいて重要な課題となる.
 なお,ユビキタス・コンピューティングの根源的なアイデアは,1984年,坂村健によって「どこでもコンピュータ」として既に提唱されていた.しかし後にマーク・ワイザーによる「ユビキタス」のネーミングが広く受け入れられ,こちらの方が有名になったという経緯がある.→トロン[熊谷敦也]

■ユーロ(euro) 
マーストリヒト条約の規定によって,1999年1月から導入された欧州単一通貨で,ユーロ参加国の法定通貨.2004年末現在ユーロ参加国はフランス,ドイツ,イタリア,オランダ,ベルギー,ルクセンブルク,スペイン,ポルトガル,アイルランド,フィンランド,オーストリア,ギリシャの12ヵ国.補助単位はユーロセント.7種類の紙幣(5,10,20,50,100,200,500ユーロ),8種類の硬貨(1,2,5,10,20,50ユーロセント,1,2ユーロ)が流通しており,ユーロ圏内では,現金,小切手,旅行者小切手,クレジット・カード,銀行間振替などのすべての支払い手段がユーロで行われている.ユーロの使用は,決済,預金,為替,株式など非現金取引については1999年1月から開始され,2002年1月1日からはユーロ紙幣,硬貨が流通し始めた.同年2月末にはユーロ参加国の通貨が回収されてユーロが唯一の法定通貨となった.ユーロは,欧州中央銀行(ECB)とユーロ圏参加国中央銀行から構成されるユーロシステムによって発行され管理される.ユーロは導入以来米ドルと並んで外国為替市場や国際金融・資本市場で活発に取引されており,ユーロ為替相場や欧州中央銀行(ECB)の金融政策が国際経済や国際金融・資本市場の動向にも大きな影響を与えている.→欧州中央銀行,為替相場メカニズム,マーストリヒト条約[田中友義]




■予算管理(budgeting)よさんかんり 
利益計画を具体化した実行計画を設定する機能 (主に予算編成),組織目標の実現可能性を確保する部門間・階層間の諸活動を調整する機能,予算の達成に向けて各部門の業務活動をコントロールする機能 (主に予算統制) を含むものである.原価計算基準によれば,予算は「予算期間における企業の各業務分野の具体的な計画を貨幣的に表示し,これを総合編成したものをいい,予算期間における企業の利益目標を指示し,各業務分野の諸活動を調整し,企業全般にわたる総合的管理の要具となるもの」とされている.
 予算管理は,予算を活用した (1年,半年,4半期,月次などの) 一定期間における全社的管理を意味する.ただし,予算には,製品ミックスや設備または研究開発などの投資,部品の生産やその他の職能の一部をアウトソーシングすべきか否かなどを決定する個別計画の内容が織り込まれたものでなければならない.→アウトソーシング,管理会計,原価改善[平岡秀福]

■予算スラック (budgetary slack)よさんすらつ 
予算スラックは,参加型予算管理の短所として指摘される.参加型予算管理は,予算編成過程に各部門管理者を参加させることによって予算に対する意識を高揚し,目標の達成に向けて動機づけ,予算管理の有効性を高めるための方法である.だが,予算編成過程で管理者は業績評価基準となる予算目標の達成を容易にするために影響を行使しうる.すなわち,効率的に経営活動が行われた場合に達成可能と判断される収益および費用の予算額と,管理者が自己の利益のために容易に達成しうる緩やかな見通しの下で過小計上された収益および水増しされた費用との差額部分(余裕部分)が予算スラックとなる.このような予算スラックをめぐる予算課と部門管理者の利害対立により生じる機会主義的行動は予算ゲームともいわれる.この点について,過度の予算スラックは回避されなければならないが,そもそも予算スラックを正確に把握することはきわめて困難であるといわれている.管理上の自由裁量の余地を部門管理者に残しておくことにも合理性が認められる点で,一定幅の予算スラックは緩衝材として機能しうることも指摘されている.[古庄 修]

■4P,4Cよんひいよん 
マッカーシー(E. J. McCarthy)(1960)は,マーケティング活動の主要要素は次の4つのPを頭文字とする領域から構成されると説明した.それらは,Product(製品政策),Price(価格政策),Place(流通チャネル政策),そしてPromotion(プロモーション政策)である.しかし,これら4Pの考え方に対しては,製品やサービスを販売しようとする供給者側の視点ではないかという批判もある.買い手が欲するのは製品そのものというより,その製品がどれだけ自分に価値があるかということであり,あるいは自分にとっての問題解決に役立つかどうかが重要なのである.価格については,個別の製品の値段よりも,入手から維持,さらには廃棄にまでいたる総コストに関心が向いている.流通チャネル政策に関しては,その製品の取扱店が全国に何万店あるかということより,自分がその製品を欲しいと思ったときにどれだけ容易に手に入れられるかがポイントになる.プロモーションは企業側が自分たちの目標を実現するために行す活動であり,顧客が求めているのは一方通行の働きかけではなく,双方向的なコミュニケーションである.このような顧客からの視点を基に,ラウターボーン(R. F. Lauterborn)(1990)は4Pから4Cへの転換を提案した.それら4Cとは,Customer Wants and Needs(顧客のウォンツとニーズ),Cost to Satisfy(顧客が満足するために負担するコスト),Convenience to Buy(入手の容易性),Communication(双方向のコミュニケーション)である.→マーケティング・ミックス[木村達也]


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