立田慶裕編著「読書教育のすすめ」が『全私学新聞』の書評に掲載されました。 - 2024.02.22
私はどうして地理学者になったのか
フランス地理学者からのメッセージ
著者 | シルヴァン アルマン 編 荒又 美陽 訳 立見 淳哉 訳 |
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ジャンル | 地理学/観光学 |
出版年月日 | 2017/10/20 |
ISBN | 9784762027390 |
判型・ページ数 | 4-6・256ページ |
定価 | 2,530円(本体2,300円+税) |
在庫 | 在庫あり |
地理学者とは何者か。フランスの第一線で活躍している12人の地理学者たちのインタビュー集。
そのきっかけ、学生時代、地理学への貢献、影響をうけた人物、現在の地理学をどう見るかについて語られる。
日本も多分に影響を受けているフランス地理学の新たな発見とともに、
地理学者への道程には東西を問わない研究者の生き様が垣間見られる。
地理学を志す人にまずは読んでもらいたい一冊。
1 ロジェ・ブリュネ(Roger Brunet)
2 ポール・クラヴァル(Paul Claval)
3 アルマン・フレモン(Armand Frémont)
4 オギュスタン・ベルク(Augustin Berque)
5 イヴェット・ヴェレ(Yvette Veyret)
6 アントワーヌ・バイイ(Antoine Bailly)
7 ドゥニーズ・ピュマン(Denise Pumain)
8 レミー・クナフ(Rémy Knafou)
9 ジャン=ロベール・ピット(Jean-Robert Pitte)
10 ジャック・レヴィ(Jacques Lévy)
11 ジャン=フランソワ・スタザク(Jean-François Staszak)
12 ヴァレリー・ジュレゾー(Valérie Gelézeau)
【書評】
・『地理学評論』(2018年9月号、vol,91 no.5、評者:福田珠己)
“…本書の面白さは、「私」が「地理学者」になったことに焦点が当たっている点、すなわち、「人」を通して「学」を紹介しようとしている点である……次の世代への対話と継承の契機として読みたい1冊である。”
(『地理学評論』2018年9月号、405頁から)
・『人文地理』(2018年、第70巻第3号、評者:成瀬厚)
“…本書のような形で、個別の研究者について、人生というスケールで、その研究関心の移り変わりや多様性という観点から知ることは、その研究者の研究成果の再読を促し、新たな魅力を発見することにつながるだろう。”
(『人文地理』2018年 第70巻第3号、414頁から)
学問分野の確立 専門家か実践家の地理学者
1 ロジェ・ブリュネ(Roger Brunet)
コレマティックの発明 / ブルーバナナ / 応用地理学 / 新しい世界地理
/ 反世界(antimonde)の探求 / 学術誌の創刊 / 新しい種類の研究所:GIPルクリュ
コラム:峠のコレーム/アナトール・フランスの肖像(T-A・スタンレン)
2 ポール・クラヴァル(Paul Claval)
市場の理論 / 経済地理学への新しいアプローチ / 交換機としての都市 / 文化地理学の構築
コラム:情報の地理学的役割/水彩画「アルコ谷の風景」(デューラー)
3 アルマン・フレモン(Armand Frémont)
ノルマンディー、調査の実験室として / 生きる空間(espace vécu)という概念 / 行動に結びつく地理学
コラム:生きる空間/『ボヴァリー夫人』(フロベール)
4 オギュスタン・ベルク(Augustin Berque)
風景(paysages)への独創的なアプローチ
コラム:メディアンス〔風土性〕とメゾロジー〔風土性研究〕/402年ごろにつくられた陶淵明の詩
5 イヴェット・ヴェレ(Yvette Veyret)
自然地理学と人文地理学の対話 / リスクの地理学から…持続可能な開発へ
コラム:環境(environnement)の概念/ブリューゲル(父)の作品
6 アントワーヌ・バイイ(Antoine Bailly)
計量地理学への貢献 / 地理学への新しいアプローチ、表象へのそれについて
/ 医療測定 (médicométrie)の創造 / 応用地理学
コラム:表象/『デルボランス』(C・F・ラミュ)
7 ドゥニーズ・ピュマン(Denise Pumain)
理論地理学と計量地理学 / 都市間ネットワークから都市間システムへ / 『サイバージオ』の創刊
コラム:都市間システム(systéme de villes)/『V.』と『重力の虹』、トマス・ピンチョンの小説
8 レミー・クナフ(Rémy Knafou)
地理学教授資格試験(アグレガシオン)の改革 / 地理学国際フェスティヴァル(FIG)の創設
/ MITの創設 ツーリズムへの刷新されたアプローチ
コラム:場所の契機(moment)/『旅行』(E・フィンケル)
9 ジャン=ロベール・ピット(Jean-Robert Pitte)
時代を超えた風景の変化の研究 / 味覚を通じた文化研究 / ある歴史地理学
コラム:日本の発見/『味覚の形相学、あるいは、卓越したガストロノミーの瞑想』(A・ブリア=サヴァラン)
10 ジャック・レヴィ(Jacques Lévy)
『時空(Espaces Temps)』誌の創刊 / 政治的なものを考慮に入れる地理学
/ 都市におけるひとりの地理学者 / 社会としての世界 / ヨーロッパとそのアイデンティティ
コラム:メトリック―視点の問題/『見えない都市』(I・カルヴィーノ)
11 ジャン=フランソワ・スタザク(Jean-François Staszak)
地理学の認識論と歴史 / 経済地理学の刷新 / ゴーギャン、想像界(imaginaire)の地理学
/ 英語圏の地理学入門
コラム:自己実現的予言の理論/『エキゾチック・アドヴェンチャー』50年代
12 ヴァレリー・ジュレゾー(Valérie Gelézeau)
未踏の研究テーマ:韓国の高層住宅 / 間文化的で学問分野を越えたアプローチ
コラム:ピナ・バウシュの振り付け
訳者解題に代えて
訳者あとがき