体育教師の学びと成長

信念と経験の相互影響関係に関する実証研究

著者 朝倉雅史
ジャンル 教育学
出版年月日 2016/09/30
ISBN 9784762026713
判型・ページ数 A5・376ページ
定価 本体6,400円+税
在庫 在庫あり

信念と経験を鍵概念として体育教師の学びと成長を検討した学術研究書。

体育教師が信じていることを「信念」という概念で捉え、信念はどのように形づくられ維持・強化されるのか、そしてどのように揺らぎ変容するのかを「経験」との関係に着目して明らかにした。

信念の形成・維持・変容が教師の成長における重要な局面であることを踏まえ、信念のダイナミズムに影響を与える学習経験を突き止めることによって、体育教師の成長を支え促す、学習・研修環境の構築に資することが目的である。
学校体育と教育活動の充実により、子どもたちの学習成果を保障する一助となることを目指す。

まえがき
図表一覧
 序論部―本研究の目的・先行研究の検討・研究方法                         
序 章 研究目的
第1節 研究の背景
1 学校体育の成果を規定する経営課題―体育教師の専門性向上
2 教師の成長・発達と新たな教師像
3 教師の実践と成長を支える信念
4 社会的要請と信念の矛盾をやり繰りする教師の専門性
第2節 問 題
1 学校体育の変遷における体育教師の意識変革の必要性と「負の遺産」
2 学校体育の経営成果に関わる信念の問い直し
3 体育教師が信念を問い直す難しさと支援体制の必要性
第3節 研究の目的と問い
第4節 研究の構成
1 研究方法論
2 研究のデザインと本書の構成

第1章 先行研究の整理と検討
第1節 体育経営学における体育教師研究の意義と位置づけ
1 学校体育経営組織の革新と改善に関する研究―マクロレベルの組織研究
2 組織行動論,管理者行動論に関する研究―メゾレベルの組織研究
3 教師の個人特性にせまる研究―ミクロレベルの組織研究
4 学校体育経営における人的資源マネジメントと本研究の位置づけ
第2節 教師の認識・思考・行為に関する研究から教師の信念研究への展開
1 教師の行為を規定する認識的側面への着目と研究の展開
2 教師の思考と知識に関する研究から信念に関する研究への展開
3 教師の信念に関する研究の意義と展開
第3節 教師の信念に関する実証的研究
1 教師の信念と指導スタイル・指導行動に関する研究
2 教師自身に対する信念としての効力感に関する研究
3 信念の構造と機能に関する研究
4 信念の働きに関する研究と教師の信念研究の課題
第4節 教師の成長・発達過程に関する研究
1 教師の職業的社会化研究と体育教師の特殊性
2 教師の成長過程に関する研究―職能成長研究と自己形成史的研究に着目して
3 教師の生涯発達研究
4 教師の成長・発達研究における信念の形成・変容の位置づけ
第5節 教師の学習を支えるシステムに関する研究
1 教師の学習過程に関する研究―教師の省察に関する研究
2 教師の学習過程を支えるシステムに関する研究―教員研修に関する研究
第6節 小括―先行研究のまとめと本研究の課題

第2章 研究方法
第1節 信念概念の検討
1 「教師の信念」概念の検討
2 信念概念の規定
3 類似概念および用語の整理
第2節 学習と経験の分析視角
1 組織学習論
2 組織における個人の学習
3 学習観と境界に基づく経験学習の分類
第3節 分析枠組みの構築
1 学習の対象としての信念
2 体育教師の信念の分類と分析対象の明確化
3 学習をもたらす経験の分類と分析対象の明確化
4 本研究の分析枠組みと本書の構成
第4節 本研究の意義
1 信念の内部構造および信念と経験の相互影響関係の検討
2 体育教師の成長と学びをもたらす経験の分析視角
3 体育教師の成長と学びに関する本研究の社会的・実践的意義
4 大学における現職研修についての実践的示唆

第Ⅰ部 体育教師による信念の問い直しと変容の難しさ              
第3章 体育教師の学びと学習環境の実態
第1節 本章の目的
第2節 方 法
1 調査項目の設定
2 分析の枠組み
3 データの収集
第3節 調査分析結果
1 授業観の変容に関する分析結果(分析1)
2 体育教師の省察に関する分析結果(分析2)
3 体育教師の研修機会に関する分析結果(分析3)
4 体育教師の研修態度に関する分析結果(分析4)
5 体育教師の研修観の分析結果(分析5)
6 項目間の関連分析
第4節 考 察
1 体育教師の信念変容の難しさ
2 体育教師の省察と研修態度の低調化
3 体育教師の研究参加と意識からみた限定的な学習環境
3 短期的・即効的・自己完結的な研修観の存在
第5節 小 括

第4章 実践において表出する信念の形成過程と維持要因
第1節 本章の目的
第2節 方 法
1 エスノグラフィーによる信念の記述
2 ライフヒストリー分析
3 事例研究の方法
4 事例の選定とデータの収集
5 分析と解釈の方法
第3節 事例対象教師の中心的信念とその形成・強化要因 
1 中心的信念が現出する指導行為場面
2 A教師の中心的信念
3 B教師の中心的信念
第4節 実践現場における信念の表出と強化・維持要因
1 2つの異なる信念
2 体育教師の信念と職場内の相互行為
3 実践現場における信念の共有とその影響
第5節 小 括

第5章 体育教師による信念の問い直しの難しさとその要因―フェーズⅠのまとめ
第1節 信念の硬直性と学習経験および学習環境の停滞
第2節 価値や理想に関わる信念を問い直すことの難しさ―問題解決を志向する信念共有のジレンマ
第3節 体育教師の信念変容を妨げる職務環境および入職前のスポーツ環境

 第Ⅱ部 体育教師による信念の問い直しと変容の実相               
第6章 信念の内実と変容の様相―授業観に着目して
第1節 目的
第2節 方 法
1 体育教師にとってのよい授業を明らかにする方法
2 体育教師の授業イメージに影響を与える経験
3 分析技術としてのテキストマイニング
3 調査および分析の方法
第3節 結果
1 体育教師にとってのよい授業イメージの全体的傾向
2 よい授業イメージの構造と類型的把握
3 授業イメージクラスターと経験年数および授業観の変容との関連
4 授業イメージに影響を与える経験
第4節 考 察
1 体育教師が有する授業観の内実と変容
2 体育教師が有する授業観に影響を及ぼす与える入職前後の経験の影響
第5節 小 括

第7章 経験の受け入れと変容に影響を及ぼす信念
第1節 本章の目的
第2節 方 法 
1 体育教師が保有する信念の対象と操作化
2 体育教師による経験の受け入れと成長の操作化
3 調査および分析の方法
第3節 結果
1 体育教師が保有する信念の構造(分析1)
2 体育教師の経験と成長(分析2)
3 体育教師が保有する信念の機能(分析3)
第4節 考 察
1 信念の構造と体育教師の類型にみられる特徴
2 体育教師の成長に関する一般的傾向
3 成長経験の受容に対する信念の機能
第5節 小 括

第8章 信念に影響を及ぼす経験と教訓の抽出と検討
第1節 目的
第2節 信念の問い直しや変容,再構築を促す学習の抽出 (研究1)
1 研究1の目的
2 方法―経験と教訓の分析視覚
3 結果と考察―体育教師の経験と教訓の対応関係
第3節 研究1のまとめ
第4節 信念の問い直しや変容を促す学習のプロセスと文脈の検討 (研究2)
1 研究の2の目 的
2 方 法―大学における長期研修に参加した体育教師への着目
3 結 果―体育教師の認識変容プロセス
4 考 察―長期研修を通じた体育教師の認識変容・ジレンマ・経験

第9章 体育教師による信念の問い直しと変容の実相―フェーズⅡのまとめ
第1節 授業観の内実と変容における入職後経験の重要性
第2節 入職後の経験を成長へと結びつける仕事の信念の構造と機能
第3節 経験と教訓の抽出と事例研究からみた越境学習経験の有効性
第4節 体育教師の信念変容を促す越境経験と学習の特徴

 第Ⅲ部 体育教師による信念の問い直しと変容に有効な学習環境          
第10章 信念の問い直しと変容を促す学習環境―総合考察
第1節 体育教師の信念と経験の相互影響関係
1 信念の構造
2 信念の機能および経験との相互影響関係
第2節 体育教師の信念の問い直しを促す学びの在り方―越境経験による自己決定型学習
1 「越境経験」の意味と内実
2 「越境経験」の有効性と信念の問い直しを促すプロセス
3 ジレンマを誘発する越境経験の有効性と教師の学びからみた必要性
3 「越境経験」によって生じる体育教師の学び―自己決定型学習の経験
第3節 体育教師の信念の問い直しに有効な学習環境
1 体育教師の一般的な研修環境の限界と大学における研修の有効性
2 成長と学びを促す学習環境としての長期研修の有効性と課題
3 日常的な研修・学習環境の中に越境経験を生み出す方策

終 章 本研究のまとめ
第1節 本書の要約と新たな知見
第2節 今後の研究課題と展望

文 献  

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