「〈子ども学〉論集」が『日本教育新聞』の書評に掲載されました。 - 2024.04.16
インターンシップ
知識や技術の習得は,学校で専門的・集中的に学んだとしても,それだけでは,即戦力いわゆる使いものになりません。働くうえでは,基礎編だけでなく応用編も要求されます。職場にあって学校にないものは「生きた学習」の存在です。現場での実習は,昔から重要視されてきたことの一つです。
インターンシップは,現役職業(組織)人の生の声を聞く機会であり,日々刻々と変化する「ひと・もの・こと」への現実的で臨機応変の対応能力を試す機会といえます。現場の空気にふれることで,職業観・職業意識が磨かれるなどの効果が期待されています。3 社会経験のない学生にとって,学校での学習経験だけでは,職場の臨場感やそこでの問題の諸相を把握することは困難なことが数多くあります。クラブ活動や学外活動(ボランティアなど)の経験者が社会や企業で評価されるのは,人間関係や会計業務,他者との交渉,新規・改善の企画提案のしかた,何かをやり遂げることの大変さなどを,身をもって経験していることにあります。
職場で日々接する対象は,生きた人間であり生きた情報です。組織や企業に所属する一人ひとりに対人関係調整能カや問題意識,問題解決能力などが問われ,ことの大小や軽重にかかわらず,あらゆる局面で適切な判断や決断を下すことが求められています。こういった能力は,無為に過ごす日々にはつちかいようがないものです。
インターンシップをとおして,現場の空気や社会の機構,仕事や幅広い年代の人びとと交際するしかたを学ぶ,あるいはその一端に触れることは,学生から社会人に移行する過程での学習として有益です。失敗して叱責を受けたり,学力不足を指摘され恥をかくなどの体験が待っているとしても,果敢に挑戦してみる価値があるといえましょう。インターンシップ制度を活用することを,企業や仕事への理解を深めるだけでなく,自己および他者理解・